未利用資源として現在、使用されていないもので、今後飼料化が期待できる素材について、成分・分析を取りまとめた情報です。


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検体名:飼料原料 (酒かす1)

検査項目 結果
飼料分析:6項目        
水分 14.70%
粗たん白質 47.70%
粗脂肪 10.80%
粗繊維 3.20%
粗灰分 1.40%
可溶無窒素物 22.20%
アミノ酸18種(加水分解)
アルギニン 2480 ㎎/100g
リジン 1230 ㎎/100g
ヒスチジン 704 ㎎/100g
フェニルアラニン 2140 ㎎/100g
チロシン 2330 ㎎/100g
ロイシン 3730 ㎎/100g
イソロイシン 1900 ㎎/100g
メチオニン 1370 ㎎/100g
バリン 1490 ㎎/100g
アラニン 2870 ㎎/100g
グリシン 2010 ㎎/100g
ブロリン 1910 ㎎/100g
グルタミン酸 6570 ㎎/100g
セリン 2370 ㎎/100g
スレオニン 1750 ㎎/100g
アスパラギン酸 4070 ㎎/100g
トリプトファン 541 ㎎/100g
シスチン 1030 ㎎/100g


■コメント
酒粕は飼料原料として以前から使用されているが、日本酒の製品毎の製造方法の違いによって、ひとくちに酒粕といってもその性状や栄養成分に多くのバリエーションがあり、とくにハンドリングに難があるために利用が進んでいない。
しかし素材は全国的に分布しており、今後、新たに飼料利用が拡大する資源として期待される。標準飼料成分表に記載されている酒粕の栄養成分の情報は、乾物中の粗蛋白質36.9%、粗脂肪1.7%、粗繊維1.4%、粗灰分1.2%、豚に対する栄養価(TDN)は85.9%、ミネラルはカルシウム0.08%、リン0.40%までであり、牛と鶏に対する栄養価やアミノ酸組成の情報は無い。
今回、異なる日本酒製品を生産した後の酒粕について、栄養成分を分析し紹介する。表示成分は乾燥後に風乾状態とした風乾物中の値である。
酒粕1は今回分析したなかでは最も高蛋白質の酒粕であり、粗蛋白質47.7%である。乾物中では55.9%であり、大豆粕よりも粗蛋白質含量が多い素材である。アミノ酸組成および必須アミノ酸のバランスをみると、リジンに対して他の必須アミノ酸の割合がかなり高い。
これは人の食品成分表に記載の精白米のアミノ酸バランスとも異なる。酒米を醸造する過程で微生物によるアミノ酸組成の改変が起こり、リジンの低下と他のアミノ酸の増加が起きたことが推察される。

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検体名:飼料原料 (酒かす2)

検査項目 結果
飼料分析:6項目           
水分 17.6 %
粗たん白質 22.1 %
粗脂肪 5.8 %
粗繊維 0.7 %
粗灰分 0.8 %
可溶無窒素物 53.0 %
アミノ酸18種(加水分解)
アルギニン 618 ㎎/100g
リジン 313 ㎎/100g
ヒスチジン 182 ㎎/100g
フェニルアラニン 917 ㎎/100g
チロシン 999 ㎎/100g
ロイシン 1600 ㎎/100g
イソロイシン 857 ㎎/100g
メチオニン 486 ㎎/100g
バリン 702 ㎎/100g
アラニン 1260 ㎎/100g
グリシン 919 ㎎/100g
ブロリン 711 ㎎/100g
グルタミン酸 2880 ㎎/100g
セリン 917 ㎎/100g
スレオニン 693 ㎎/100g
アスパラギン酸 1750 ㎎/100g
トリプトファン 205 ㎎/100g
シスチン 431 ㎎/100g


■コメント
粗蛋白質が22.1%(乾物中26.8%)であり、最も低蛋白であった。粗脂肪と粗繊維も酒粕1と比較して少なく、結果、可溶無窒素物(NFE)が半分以上を占めていた。これは醸造前の磨きの程度が大きいことによって、発生する酒粕の成分に影響を与えていると思われる。比較的高価な日本酒製品の場合、発生する酒粕はこのような低蛋白質になることが考えられる。

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検体名:飼料原料 (酒かす3)

検査項目 結果
飼料分析:6項目           
水分 19.3 %
粗たん白質 25.5 %
粗脂肪 6.0 %
粗繊維 1.2 %
粗灰分 0.7 %
可溶無窒素物 47.3 %
アミノ酸18種(加水分解)
アルギニン 956 ㎎/100g
リジン 407 ㎎/100g
ヒスチジン 295 ㎎/100g
フェニルアラニン 1130 ㎎/100g
チロシン 1230 ㎎/100g
ロイシン 1950 ㎎/100g
イソロイシン 1000 ㎎/100g
メチオニン 657 ㎎/100g
バリン 837 ㎎/100g
アラニン 1490 ㎎/100g
グリシン 1100 ㎎/100g
ブロリン 884 ㎎/100g
グルタミン酸 3510 ㎎/100g
セリン 1070 ㎎/100g
スレオニン 802 ㎎/100g
アスパラギン酸 2100 ㎎/100g
トリプトファン 244 ㎎/100g
シスチン 538 ㎎/100g


■コメント
粗蛋白質が25.5%(乾物中31.6%)であり酒粕2よりもすこし蛋白含量が高いタイプであった。酒粕2と酒粕3のアミノ酸バランスと、酒粕1のアミノ酸バランスを比較すると、必須アミノ酸のなかでリジンの割合が少ないことは共通しているが、リジンに対するその他の必須アミノ酸の割合は酒粕1が最も低いことがわかる。
つまり高蛋白の酒粕のほうが醸造過程でのリジンの消費が抑えられており、低蛋白の酒粕よりもアミノ酸バランスはすぐれていると考えられる。

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検体名:飼料原料 (卵殻残さ乾燥品)

検査項目 結果
飼料分析:5項目           
粗たん白質 4.2 %
粗灰分 88.6 %
カルシウム 34 %
マグネシウム 0.31 %
リン 0.09 %
アミノ酸18種(加水分解)
アルギニン 326 ㎎/100g
リジン 190 ㎎/100g
ヒスチジン 166 ㎎/100g
フェニルアラニン 125 ㎎/100g
チロシン 163 ㎎/100g
ロイシン 257 ㎎/100g
イソロイシン 154 ㎎/100g
メチオニン 131 ㎎/100g
バリン 266 ㎎/100g
アラニン 193 ㎎/100g
グリシン 284 ㎎/100g
ブロリン 301 ㎎/100g
グルタミン酸 571 ㎎/100g
セリン 275 ㎎/100g
スレオニン 230 ㎎/100g
アスパラギン酸 384 ㎎/100g
トリプトファン 65 ㎎/100g
シスチン 254 ㎎/100g


■コメント
卵はマヨネーズを作る原料として大量に使用され、卵殻が発生する。卵殻の組成はほとんどが炭酸カルシウムであり、当然カルシウム源としての利用が主になる。
ただ同時に付着している卵殻膜は蛋白質であり、4.2%含まれるため、そのアミノ酸組成を分析し紹介する。卵殻残さの場合は、前述の酒粕と異なり、必須アミノ酸のなかでリジンの割合が高く、豚、鶏の飼料として理想的なアミノ酸バランスに近い。粗蛋白質として4.2%という少量であるため、飼料中へのアミノ酸補てん効果としてはわずかであるが、今後の飼料利用をすすめていく材料として紹介した。

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